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カスタマーサクセス代行支援

更新日:2022年04月20日

カスタマーサクセスとは|カスタマーサポートとの違い・意味・KPIを解説

カスタマーサクセスとは|カスタマーサポートとの違い・意味・KPIを解説

ビジネス慣習や生活様式の変化に伴い、
時流にあった営業の概念であるカスタマーサクセスが近年注目を集めています。

カスタマーサポートとの違いや、取り組むことで得られるメリットを理解しておくことで、
より効果的な運用が可能になります。

今回は、カスタマーサクセスの意味や目的などの基礎知識に加え、

代表的なKPI項目について紹介します。

 

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目次
カスタマーサクセスとは
カスタマーサポートとの違い
なぜいまカスタマーサクセスが注目されているのか
カスタマーサクセスのメリット
カスタマーサクセスのKPI
まとめ

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、自社の製品やサービスを通して顧客に成功をもたらすことで、
将来的に得られる利益を増やす概念です。

新規開拓にウェイトを置き接点のない顧客にアプローチしていた従来の営業手法と異なり、
既存顧客を対象に深い関係を構築して利益を生み出します。

例えば、商材の購入後にも継続して連絡をとって関係を良好に保ち、
機能や活用方法をよく知ってもらい顧客の課題の芽を摘み取ります。

結果として、その顧客は企業や商材に好印象を持つようになり、
他社商材への流出が防止され長期的な利益が発生するというわけです。

カスタマーサポートとの違い

能動的なカスタマーサクセス・受動的なカスタマーサポート

よく混同されるのが、カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違いです。
どちらも既存顧客向けに活動する点は同じですが、活動の主体は大きく異なります。

カスタマーサポートは課題が発生した既存顧客からの問い合わせを受けて対応する
受動的な役割ですが、カスタマーサクセスは自らが率先して顧客にアプローチして
課題の早期発見と解決に導く能動的な役割を担います。

カスタマーサポートは顧客の不便・不満を解消する重要な役割ですが、
課題が顕在化したあとに対応するため、不満が大きくなりすぎてしまうと
サービスの解約や他社流出を抑えきれません。

一方のカスタマーサクセスは、よくある課題に対して
先手を打って解決のアドバイスをしたり、成功事例を流用したりすることで
顧客に利便さを感じてもらいやすくなり、不満の芽が育つこともなく
サービスの解約や他社流出を抑えることができます。

なぜいまカスタマーサクセスが注目されているのか

サブスクリプション型ビジネスの台頭

サブスクリプション型のビジネスモデルが普及しつつあり、
カスタマーサクセスの概念が広まる一因になりました。

サブスクリプションは定期購買を意味する言葉で、従来の買い切り型の消費の仕方と異なり、
一定期間の利用と引き換えに費用が発生する仕組みです。

ビジネスシーンにおいてはデジタル推進の波を受けて導入する企業が急速に増えた
営業支援ツールなどのSaaS(Software as a Service)がわかりやすい例です。

多くのSaaSがサブスクリプションモデルの費用形態であり、
サービスの継続利用がそのまま収益に繋がる重要性が早くから認知されていたため、
SaaS拡大の勢いそのままにカスタマーサクセスの取り組みも普及することとなりました。

サービス乗り換え抑止の重要性向上

これまでの顧客は、競合や市場の動向を、訪問してくる営業パーソンに聞いて
情報をキャッチアップすることがよくありました。

しかし最近では、インターネットやスマホの普及もあり、営業パーソンに聞かずとも
顧客自身がそうした情報を集められるように変化しています。

そのため、既存で取引のある顧客であってもサービスにネガティブイメージを持ってしまったら、
これまでのように引き留める間もなく他社に乗り換えやすくなってしまっているのです。

そうしたことからも顧客のリテンションの重要さが声高に叫ばれるようになり、
カスタマーサクセスによる既存顧客の継続利用重視の考え方が浸透しました。

CRMツールの利用浸透

いままでは営業パーソン個人で管理していた顧客情報を一元管理するため、
CRM(Customer Relationship Management)ツールを導入する企業が増えています。

CRMツールによって、購買意欲の高まりの察知や組織構造理解による他部署へのアプローチなど、
いままで拾い切れていなかった既存顧客内にあるビジネスチャンスが可視化され、
新規開拓に代わる手法としてカスタマーサクセスの概念も広まりました。

また、新規顧客の開拓よりも既存顧客への営業の方が、
難易度が低く成功体験を積みやすいことも普及に拍車をかけました。

カスタマーサクセスのメリット

LTVの向上

カスタマーサクセス施策の目的はLTVの向上であり、企業にもたらす最大のメリットでもあります。

LTVとは、顧客生涯価値(Life Time Value)の通称であり、
ひとりの顧客が自社にもたらす利益総額のことを意味します。

カスタマーサクセスの活動によって、ひとりの顧客あたりの継続年数や単価が伸びれば、
当然顧客から得られる利益も増え、LTVが増加することになります。

なお、LTVには算出方法があり、代表的なものは以下の4つです。

これらの中から自社の商材・サービスに合ったものを選びLTVを計算してみてください。

  • 年間取引額 × 収益率 × 継続年数
  • 平均購買単価 × 平均購買回数(もしくは平均購買期間)
  • (売上高 – 売上原価) ÷ 購買者数
  • 平均購買単価×粗利÷解約率

サービス・プロダクトの改善

カスタマーサクセスに取り組んでいると、いままで見えてこなかった
サービスや商材の改善点が見えてきます。

既存顧客からのレビューはこの上ない気づきの宝庫であり、
顧客の声を収集して判明した改善点は、品質向上のためのフィードバックとして使われるのはもちろん、
新規事業開発のきっかけになることも珍しくありません。

このようにカスタマーサクセスは、既存顧客との関係値向上に加えて
サービスや商材の改善に繋がることからも、十分なメリットを得られると言えます。

カスタマーサクセスのKPI

カスタマーサクセスには商材やサービスの特性によって、設定すべきKPIが異なります。

代表的なKPI項目を紹介します。

オンボーディング完了率

オンボーディングとは、サービスの利用を開始した顧客が操作や仕様を理解し
定着した状態になるまでの期間を意味します。

オンボーディングの完了率は、以下の式で算出することができます。

オンボーディングが完了した顧客数÷オンボーディング期間中の顧客数

定着したと言えるようになる具体的な期間はサービスごとに異なりますが、
顧客が定着することの重要性はサービスにかかわらず高いです。

なぜオンボーディングの完了が重要視されているのかですが、
定着をしていない顧客はサービスの解約や他社流出の危険性が高いためです。

顧客のオンボーディングが未完了になる要因としては、以下のような状況が考えられます。

  • サービスの操作や活用方法がわからないまま放置されている
  • サービスのメリットが十分に伝わっておらず優先順位が低く捉えられている
  • サービス導入時に発生する他タスクに忙殺されてきちんとした運用にまで手が回らない

いずれの理由にせよ、顧客に理解を深めて頂き、
サービスを通して本来の課題を解決する成功体験を得てもらうためにも
カスタマーサクセスによるオンボーディング完了は重要なミッションとなります。

NPSの向上

NPSはネットプロモータースコア(Net Promoter Score)の略称であり、
顧客のロイヤリティを計る指標です。

顧客のロイヤリティが高ければ、サービスの継続利用はもちろんのこと、
顧客がそのサービスを他のメンバーにおすすめしてくれる可能性も上がります。

NPSの算出方法は以下の通りです。

回答者全体の割合-批判者の割合

顧客に「このサービス(企業/商材)を、他人に推奨したいと思いますか?」とアンケートをとり、
0~10点の11段階で評価してもらいます。

この点数をもとに顧客を「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのグループに分け、
回答者全体の数値から批判者を引いた数値がNPS値です。

推奨者:9~10点と答えた顧客
サービスに非常に満足していて、サービスの継続利用や他人への推奨意向も高い理想とすべき状態。

中立者:7~8点と答えた顧客
サービスに対して肯定も否定もしない層。
大きな不満も無くすぐにサービスを解約することもないが、ふとしたきっかけで
サービスから離れてしまう可能性がある。

批判者:0~6点と答えた顧客
サービスに不満がありマイナスな感情を抱いている状態。
他人への推奨が見込めないどころか、サービスに対してネガティブな口コミを広げる恐れがある。
NPS値は高ければ高いほど良く、ファンが根付いている証にもなります。
一方で、サービスの品質が追い付いていない場合は、NPS値がマイナスになることもあるので
注意が必要です。

アップセル率・クロスセル率

アップセルとは、顧客が購入したものより上位の商材を購入してもらうことです。

例をあげると、必要最低限の機能があるライトプランを利用している顧客に、
より多機能で料金の高いプレミアムプランを提案して利用してもらうイメージです。

クロスセルとは、購入したものとは違う別の商材をプラスで購入してもらうことです。

ハンバーガーにポテトとドリンクがセットで付いてくるのをイメージするとわかりやすいです。

どちらの取り組みも顧客単価の向上が目的であり、収益改善に大きく寄与する施策となります。

アップセル率:アップセルに成功した数量÷顧客全体の数量
クロスセル率:クロスセルに成功した数量÷顧客全体の数量

これらの率を高めていきながら、比例して伸びていく売上や利益もチェックして
相関性を見つけることで、カスタマーサクセスの効果を実感できます。

解約率(チャーンレート)の改善

解約率の改善は、LTVの向上や顧客獲得単価の低減に直結します。

特にSaaSなどのサブスクリプション型サービスにおいては、
売上目標の達成にかかわる重要な取り組みと言えます。

解約率の考え方は2種類あり、それぞれの計算式を以下に記載します。

カスタマーチャーンレート:計測期間内の解約数÷計測期間内の全体の顧客数
カスタマーチャーンレートは、顧客の総数に焦点を当てた指標であり、
顧客の定着率や品質改善の効果を計ることができます。

レベニューチャーンレート:(商品単価×解約数)÷全体の売上
レベニューチャーンレートは、解約が売上に与えるインパクトを計る指標であり、
サブスクリプション型商材を扱っているのなら必ず注視したい項目です。

まとめ

カスタマーサクセスは、既存顧客に成功体験をもたらすことで収益を改善する考え方です。

よくカスタマーサポートと混同されますが、
顧客からの問い合わせを受け身で待つカスタマーサポートと異なり、
カスタマーサクセスは能動的に顧客と接触し、不満や不安の芽を摘み取ります。

結果として、顧客の継続利用期間が延びてLTVが向上し、
サービスやプロダクトの改善にも繋がります。

見るべき指標には、オンボーディング完了率・NPS値・アップセル率・
クロスセル率・チャーンレートがあり、商材に合った指標をモニタリングし改善していくことが
カスタマーサクセスの活動内容です。

総じてカスタマーサクセスは、企業の収益改善に直結する活動であり、
サブスクリプション型サービスを扱っているのなら取り組むべき重要な施策と言えます。

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