営業代行・営業アウトソーシング
更新日:2024年12月19日
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営業代行・営業アウトソーシング
更新日:2024年12月19日
顧客のニーズを待つプル(PULL)型営業と、企業が積極的なアプローチを行うプッシュ(PUSH)型営業。
どちらも営業手法の一つですが、特徴や具体的な手法に違いがあります。
今回の記事では、プル(PULL)型営業・プッシュ(PUSH)型営業の違いから、それぞれの特徴、具体例や向いているケースを解説します。
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プル(PULL)型営業とプッシュ(PUSH)型営業は、どちらも企業が顧客にアプローチを行う際に用いる営業手法です。
どのような営業手法であるかをイメージしやすいように、「引く(pull)」と「押す(push)」という動詞を使用した表現が浸透しました。
日本のビジネスシーンでは、分かりやすいようにプル型・プッシュ型とカタカナで表現されることが多いため、以下本記事では、プル型営業・プッシュ型営業と示します。
まずはプル型営業とプッシュ型営業、それぞれの特徴を解説します。
プル型営業とは、企業が一方的に商品やサービスを売り込むのではなく、コンテンツマーケティングやSNSを活用することで、顧客自らが商品やサービスに興味を持ち、企業に問い合わせを行う状況を作る営業手法です。
インバウンド営業とも呼ばれています。
従来の営業手法では、企業が一方的に情報を発信していましたが、インターネットやSNSが普及した今、顧客自らが情報を収集し、比較検討を行うことが一般的になりました。
このような変化がプル型営業の隆盛に影響を与えています。
顧客が問い合わせを行った時点で、サービスや製品に一定以上の興味があると考えられるため、企業側が積極的にアプローチを行うプッシュ型営業よりも、購買意欲や興味関心が高い状態でアプローチを開始できることが可能です。
ただし、顧客の興味を醸成するには、質の高いコンテンツを継続的に発信する必要があります。短期的な成果を目指せるプッシュ型営業と比べると、成約までに時間がかかると考えたほうがいいでしょう。
プッシュ型営業とは、企業が顧客に対し、飛び込み営業やテレアポなどで積極的に商品やサービスの情報を発信し、購入を促す営業手法です。
従来からある営業手法のひとつであり、アウトバウンド営業とも呼ばれています。
すでにサービスや製品に興味がある顧客にアプローチを行うプル型営業と比べると、コストが高くなりやすく、成約率が低い傾向がありますが、顧客へ直接的なアプローチを行うため、短期間で売り上げ向上を目指すことが可能です。
また、自社商材を認知していない顧客や、訴求段階で興味を持っていない顧客に対してもアプローチを行うため、新規顧客の獲得や認知の拡大に有効であるとされています。
プル型営業には、次のようなメリットがあります。
プル型営業は、顧客が商品やサービスに興味を持った状態で企業に問い合わせなどのアプローチを行います。
すでに購買意欲や興味関心が高まっている状態であるため、高い成約率を目指すことが可能です。
また、企業が一方的に情報を発信するプッシュ型営業では、顧客が企業側に対して不信感を持つ可能性がありますが、プル型営業では、顧客自らが情報収集をし、比較検討を行った上で企業を選定します。
自ら得た情報に基づいているため、企業に対して納得感や信頼感が生まれやすく、信頼関係の構築・成約率の向上に繋がりやすい傾向があります。
プル型営業では、営業担当者が顧客を開拓する必要がなく、購買意欲の高い顧客に絞ってアプローチを行えるため、営業工数を削減しながら高い成約率を目指すことが可能です。
また、自動化ツールとの相性も良く、FAQやチャットボットなど、よくある質問や簡単な問い合わせに自動で対応できる仕組みを作ることで、効率の良い営業活動を実現できます。
プル型営業で活用される記事や動画・ホワイトペーパーといったコンテンツは、一度作成すれば何度でも活用することができます。
仕組みを構築するまでに時間はかかるものの、ある程度構築ができれば、その後は少ないコストで長期的に効果を得ることが可能です。
また、質の高いコンテンツの提供は、顧客との信頼関係の構築や企業イメージの向上にも繋がります。
長期的な視点で有益なコンテンツを通じて納得感や安心感を与えることができれば、リピート率の向上や口コミによる拡散効果を期待できるでしょう。
プル型営業には、次のようなデメリットがあります。
プル型の営業は、一度仕組みを作ってしまえば、低コストで運用が可能ですが、初期段階では、質の高いコンテンツの作成やSEO対策、ウェブサイトの構築やSNSの運用などが必要です。
軌道にのるまでは、ある程度の費用とリソースがかかると考えたほうが良いでしょう。
プル型営業から顧客を獲得するには、検索エンジンで上位表示を目指すSEO対策や、コンテンツの蓄積・拡散が必要です。
これらのプロセスには、数か月から数年かかる場合もあり、直接的なアプローチを行うプッシュ型営業と比べると、即効性が低い傾向があります。
長期的な視点でアクセスデータや顧客からの問い合わせ内容などの分析・問題点の改善に取り組むことが大切です。
プル型営業は、顧客が自ら情報を取集するという特性から、顧客の行動が非常に多様で予測不能な要素が多いという特徴があります。
また、顧客の購買意欲は、その時々の状況や競合他社の状況、経済状況、トレンドなど外部要因にも影響を受けます。
予測精度を向上させ、より効果的な営業活動を行うためには、顧客の行動データ分析やA/Bテストの活用、MA(マーケティングオートメーション)の導入などが有効です。
プル型営業は、次のような手法で行います。
ブログ記事やホワイトペーパー、動画などで、顧客が抱える課題や悩みを解決するようなコンテンツを作成し、発信する手法です。
顧客にとって有益な情報を提供することにより、信頼関係の構築や企業の認知度向上などに役立ちます。
(例)BtoB企業が業界の最新トレンドに関するホワイトペーパーを無料で公開する
検索エンジンで自社のWebサイトが上位表示されるように対策を行う手法です。
適切なキーワード選定やコンテンツの最適化を行うことで検索結果上位にコンテンツが表示されれば、自然な形で集客ができ、安定した顧客基盤の構築に繋がります。
(例)ECサイト運営企業が、自社製品のキーワードだけでなく、関連性の高いキーワードのコンテンツを網羅的に作成する
SNSを活用して、顧客とのコミュニケーションを図り、ブランドの認知度向上や、顧客との関係構築を図る手法です。
SNSでは、顧客とリアルタイムなコミュニケーションが取れるため、顧客満足度の向上や顧客の声の収集につながります。
また、各SNSには分析ツールが用意されており、効果測定が比較的容易です。
顧客の行動予測が難しいとされるプル型営業を効果的に行うための土台にもなり得るでしょう。
(例)ファッションブランドがInstagramのライブ配信で新作を紹介し、顧客の質問にリアルタイムで回答する
Web上で開催するセミナーを通じて、顧客に情報を提供し、興味関心を引き出す手法です。
ウェビナーでは、一方的に企業側が情報を発信するだけでなく、顧客の質問に答えたり、アンケートを実施したりと、双方でコミュニケーションを図ることが可能です。
顧客と直接やり取りができるため、顧客ニーズの理解を深めることにもつながります。
また、ウェビナーの内容と自社製品をうまく関連付けたテーマで実施をすれば、競合他社との差別化や成約率の向上を狙うことも可能です。
(例)IT企業がプログラミング初心者向けのウェビナーを開催し、自社製品のトライアル利用を促す
検索エンジン広告やディスプレイ広告など、様々な広告手法を活用して、自社の製品やサービスを認知させる手法です。
短期間で多くのユーザーにリーチすることができるだけでなく、顧客の行動履歴を活用すれば、自社製品に興味関心が高いユーザーにピンポイントで広告を届けることができます。
(例)旅行会社が、ヨーロッパ旅行に興味を示したユーザーに対して、リターゲティング広告を表示し、再度検討を促す
プッシュ型営業には、次のメリットがあります。
プッシュ型営業は、電話営業や訪問営業など、顧客との直接的なコミュニケーションを通じてその場でニーズを把握し、提案を行うことが可能です。
プル型営業のように、顧客のニーズを待つ必要がないため、成約までのスピードが速いという特徴があります。
プッシュ型営業では、営業担当者が積極的にヒアリングや提案を行うことで、顧客自身が気づいていない潜在的なニーズを掘り起こすことが可能です。
潜在的なニーズを深く理解し、適切な提案を行うことで、顧客満足度を高め、成約率やリピート率の向上、競合との差別化を図ることができます。
プッシュ型営業は、まだ自社製品やサービスを知らない顧客にも積極的なアプローチを行うことから、新規市場の開拓に有効な手段であるとされています。
特に競合が多い市場においては、他社よりも早く潜在顧客にアプローチを行うことで、認知の拡大や新規顧客の獲得につながり、市場シェアの拡大に直結します。
プッシュ型営業は、企業側がアプローチをする顧客を選定します。
すでに自社商材を購入している顧客の属性やアンケート結果などから、自社製品が効果を出しやすい属性や、親和性の高い業界をターゲットに設定することで、効率よく営業活動を行うことが可能です。
プッシュ型営業には次のようなデメリットがあります。
プッシュ型営業は、企業側から積極的なアプローチを行う営業手法です。
顧客側が自社商材に興味を持っていない状態で提案を行うため、突然の電話や訪問に対し、顧客が不信感を抱く場合もあります。
しつこい営業はブランドイメージを下げる可能性も。
BtoCの場合は顧客の業務時間を避ける、BtoBの場合は顧客のプライベートの時間を避けるなど、適切なタイミングを見極め、顧客に負担をかけないアプローチを意識することが大切です。
プッシュ型営業は、自社商材に興味関心が薄い顧客をターゲットとする新規営業であるため、顧客の反応が薄かったり、断られたりすることが多く、営業担当者のモチベーションの維持が難しい側面があります。
モチベーションを維持するためには、適切な目標設定を行い、成果の見える化を行いましょう。また、業務フローの改善や研修などにより、継続的に成果を出せる仕組みを作ることも大切です。
プッシュ型営業は、自社商材を知らない・興味が薄い顧客にもアプローチをする必要があるため、顧客ニーズよりも企業側が伝えたいことを優先するような提案になりがちです。
適切なコミュニケーションが取れていない状態で提案を進めると、顧客側が押し売りをされていると感じる可能性があります。
プッシュ型の営業では、顧客の状況や予算、ニーズを考慮し、適切な提案を行うことを心がけましょう。
プッシュ型営業は、次のような手法で行います。
電話営業は、一般的なプッシュ型営業のひとつです。
エリアや属性・過去の行動履歴などのデータから顧客リストを作成し、電話で提案を行います。
即座に顧客と接点を築くことができるため、DMやフォーム営業など、他の手法に比べ迅速な対応が可能という特徴があります。
また、顧客の反応を直に聞くことができるため、提案内容の柔軟な調整も可能です。
(例)特定のエリアに住む高齢者に対し、電話で健康促進イベントへの参加を促す
直接顧客のもとを訪れ、提案を行う営業手法です。
訪問営業では、サンプルやデモ、資料を活用した訴求が可能で、自社商材の良さを伝えやすいという特徴があります。
また、対面でのやり取りは顧客との信頼関係を構築しやすいため、長期的な関係へと発展させやすい手法です。
(例)決済システム提案のために飲食店へ飛び込み訪問をし、デモを試してもらう
ダイレクトメールは、顧客の住まいや会社宛てに商品やサービスの情報を送付する手法です。
電話や訪問のように、一人ひとり対応する必要がないため、大量の顧客へ効率的に情報を届けたい場合に有効な手段といえます。
(例)過去にセミナーに参加した企業に新サービスの案内を送付する
展示会や見本市などに出展し、自社商材をアピールする手法です。
自社製品と関連の高いイベントに参加すれば、短期的に多くの潜在顧客と直接的なコミュニケーションを取ることができます。
新規顧客の獲得だけでなく、新たなニーズの発見や顧客の声の収集にも役立つでしょう。
(例)営業がテーマの展示会で、営業活動の効率化ができる新製品のブースを設置する
フォーム営業は、ターゲットのWebサイトに設置された問い合わせフォームや、資料請求フォームへの問い合わせをきっかけに営業活動を行う手法です。
主にBtoB営業で活用されます。
ただし、フォームは、あくまで自社の顧客に対して設置されているものです。
そこからの営業活動は、企業側からすると迷惑になる場合が多いため注意が必要です。
顧客との接点やサービス説明の機会になり得る一方、フォームから営業をかけてしまうと、企業イメージを下げてしまう可能性も。
フォーム営業を行う場合は、過度なアプローチにならないよう注意する必要があります。
(例)電力を多く使用する工場のお問い合わせページから、電気料金削減の新プランの提案を送信する
プル型営業とプッシュ型営業は、どちらも企業が顧客へアプローチを行うための手法ですが、特徴が異なるため、自社サービスの特性や顧客属性・企業の方針に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
ここからは、プル型・プッシュ型、それぞれがどのようなケースに向いているかについて解説します。
顧客は、大きな買い物や契約であるほど、「失敗したくない」という心理が働き、慎重に情報収集や比較検討を行う傾向があります。
そのため、高額商材や専門性の高いサービスを取り扱う場合には、良質なコンテンツを発信し、顧客に比較検討をさせたうえでアプローチを促す、プル型営業が効果を発揮しやすいとされています。
また、プル型営業は、プッシュ型営業のように一人ひとりにアプローチを行うのではなく、大多数に向けて情報を発信できる手法です。
認知度の向上やブランドイメージの定着、長期的な興味の醸成を行いたい場合に向いている施策と言えるでしょう。
プッシュ型営業は、直接顧客に訴求ができるため、短期間で売り上げを向上したい場合に有効な施策です。
特に季節商品やキャンペーンを実施するサービスなど、売り上げが伸びる時期がある程度決まっている商材の場合には、適切なタイミングで企業側から積極的なアプローチを行うことで、売り上げの最大化を狙うことができます。
また、プッシュ型営業は、市場参入初期にも有効です。
市場に参入したばかりの商材は、認知度が低く、プル型営業のように顧客のニーズを待つ手法は確立するまで時間がかかります。
顧客の獲得やサービスの拡大を狙うためには、プッシュ型営業のように企業が主体となるアプローチを行ことが大切です。
プル型営業とプッシュ型営業は、どちらも企業が顧客に対して行う営業手法ですが、顧客のニーズを待つプル型営業と、企業側から顧客へ積極的なアプローチを行うプッシュ型営業とでは、特徴や向いている商材が異なります。
どちらが優れいるというものではなく、あくまでも自社の状況に適した方法を選ぶことが大切です。
時には、プル型・プッシュ型両方の施策を取り入れることで、効果の最大化を狙える場合もあります。
自社に適した手法を選択することで売り上げの最大化を狙いましょう。
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