営業代行・営業アウトソーシング
更新日:2024年11月14日
営業代行・アウトソーシングなら
セイヤク
営業代行・営業アウトソーシング
更新日:2024年11月14日
BtoC営業とは、個人(一般消費者)をターゲットとした営業活動を指す言葉です。
今回の記事では、BtoC営業の特徴や営業手法、求められるスキルや戦略立てのフレームワークを紹介します。
BtoC営業とは、企業が個人(消費者)に対して直接商品やサービスを販売する営業活動です。
Business to Consumerを略してBtoC営業や個人向け営業と呼ばれています。
BtoC営業とBtoB営業は、どちらも企業が商品やサービスを販売する営業活動ですが、BtoC営業が一般消費者をターゲットとする一方、BtoB営業では法人をターゲットとします。
ターゲットの属性が異なるため、購買決定の基準や取引量・意思決定のプロセスなどが異なります。
以下は、BtoC営業とBtoB営業を比較した表です。
BtoC営業 | BtoB営業 | |
---|---|---|
ターゲット | 個人(一般消費者) | 法人(企業) |
購買決定の基準 | ブランドイメージ・価格・感情が重視されやすい | 機能性・コストパフォーマンス・実績が重視されやすい |
意思決定のプロセス | 本人・家族など限られた範囲で意思決定が可能 | 決裁者が多い・意思決定のプロセスが複雑 |
取引量 | 個口取引が多い | 大口取引が多い |
どちらもサービスや商品を売るための活動ではあるものの、成果を上げるためにはそれぞれの顧客属性に適した営業活動が欠かせません。
BtoC営業には、次の特徴があります。
BtoC営業のターゲットとなる一般消費者は、年齢・性別・職業・趣味趣向・価値観などが多種多様です。
多様なニーズに応えるためには、豊富な商品ラインナップやカスタマイズされた対応など、柔軟な営業戦略が求められます。
また、顧客層が広い分、ターゲティングが難しいというのも特徴のひとつです。
異なる属性を持つ顧客に対して、適した訴求を行う必要があるため、さまざまなマーケティングチャネルを活用し、パーソナライズされた営業活動を行う必要があります。
BtoCの顧客は、一般的に個人の判断で商品やサービスを購入します。
BtoB営業のように複雑な承認プロセスを経る必要がないため、比較的短期間で決断を下すことが可能です。
また、購買金額の相対的な小ささも購買までにかかる期間に影響します。
BtoCで取り扱う商材は、BtoBに比べ金額や取引量が小さいものがほとんどであるため、気軽に購買を決めることが可能です。
ただし、BtoC商材の中でも不動産や車など、高額商材の場合は購入までに時間がかかることがあります。
従来のBtoC営業は、実店舗での販売が主でしたが、近年ではインターネットの普及により、ECサイトやスマートフォンアプリ・SNSなど、さまざまなチャネルで顧客と接点を持てるようになりました。
これによりBtoC営業は、多くの顧客層へのアプローチが可能となり、多様なニーズに対応できるようになりましたが、競争の激化や顧客データの複雑化など新たな課題も生まれています。
BtoCで取り扱う商材は、個人で消費することを目的としているため、購入者がその商品やサービスを実際に使う場面を想像し、喜びや満足感を得られるかといった感情的な側面が購買決定に影響されるという特徴があります。
また、一般消費者の価値観は多様で、機能性や価格といった合理的な要素に加え、デザインやブランドイメージ、ストーリー性など感情に訴えかける要素が購入の決め手になる場合も。
合理性が重視されやすいBtoB商材と比べ、BtoC商材では、消費者の心に響くような商品やサービスを提供し、感情的なつながりを築くことが重要とされています。
顧客が個々の消費者であるBtoCでは、商品やサービスを顧客自身やその周囲の人が利用するため、「商品やサービスにどのような感情を抱いているのか」「どのような体験をしているのか」といった、よりパーソナルな側面が重要です。
個々の感情や体験を知ることができる顧客の声は、製品開発やサービスの改善につながるだけでなく、効果的なマーケティング戦略の立案に結び付く貴重な情報源として重視されています。
BtoBでも、顧客の声が重要なことに変わりはありませんが、BtoBでは、論理的な根拠に基づいて良し悪しの判断をされる傾向があり、BtoCほど個人の感情や体験が重視されるわけではありません。
顧客の声を戦略に活かし、顧客満足度の向上を図ることができれば、口コミや評判による拡散で新たな顧客獲得にもつながるでしょう。
BtoC営業が活躍する代表的な業界としては次が挙げられます。
上記はあくまでも一例ですが、BtoC営業が活躍する業界の多くは、商材単価が高額で、顧客との長期的な関係構築が前提となる商材を取り扱っています。
これらの商品やサービスは、購買の決定が顧客の人生に大きな影響を与えることも。
重要な決断となるため、個々のニーズに適したカスタマイズや説明・提案ができる営業パーソンが必要とされています。
BtoC営業では、顧客の多様なニーズに応えるため、さまざまな営業手法が活用されています。
今回はBtoC営業で活用されている6つの営業手法を紹介します。
対面販売とは、直接顧客と顔を合わせ、販売を行う方法です。
店舗で行う場合や、自宅や会社などに訪問する場合があります。
従来から行われている営業手法のひとつで、顧客の反応をリアルタイムに把握することができ、信頼関係の構築がしやすいことが特徴です。
ただし、他の手法と比較すると顧客との接触機会が少なく、人件費や営業時間に制限があるため、多くの顧客に効率的にアプローチをするためには、他の手法と組み合わせる必要があります。
電話営業とは、電話を通じて顧客にアプローチを行い、商品やサービスの提案を行う営業手法です。
対面販売とは異なり、短時間で多数にアプローチをすることが可能で、顧客の反応を直接聞けるというメリットがあります。
ただし、電話に出てもらえない場合や、電話が繋がっても拒否反応を示されてしまうケースが少なくありません。
DMとは、郵便物や電子メールで顧客へ直接広告や案内を送る営業手法です。
従来のマスメディア広告とは異なり、顧客の属性や興味関心・購入履歴などデータを基にアプローチ先を絞り込むことができます。
よりパーソナライズされた情報を届けられることができるため、効率的に顧客の購買意欲を高めることが可能です。
ただし、DMを送っても開封をせず捨てられてしまう可能性があるという懸念も。伝えたい情報を届けるには、いかに顧客の興味を引けるデザインや内容にするかが重要です。
SNSマーケティングとは、ソーシャルネットワークサービスで商品やサービスの情報を発信し、顧客との関係を構築する手法です。
低コストで広範囲にアプローチすることができるだけでなく、顧客自身が情報をシェアすることによる拡散効果も期待できます。
また、興味関心や年齢・性別など詳細なターゲット層を設定して広告を配信することもできるため、無駄な広告費を抑えることが可能です。
ただし闇雲にSNSを利用するだけでは効果を期待できません。SNSマーケティングは、ターゲット層を明確にし、戦略的に運用をすることが大切です。
OMOは、「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインの融合という意味を持ちます。
オンラインとオフラインの垣根を取り払えるとして、近年小売業界を中心に注目されている手法です。
具体的には次のような施策が考えられます。
OMOを活用することで、顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上、売り上げアップや新規顧客の獲得など、さまざまな効果が期待されています。
紹介営業は、既存顧客から新たな顧客を紹介してもらう手法です。
紹介された顧客は、すでにサービスや製品にある程度の興味や信頼を持っている場合が多く、新規営業と比べ成約率が高い傾向があります。
紹介営業には紹介者の協力が不可欠です。既存顧客と良好な関係を築けているだけではなく、「他者に紹介したい」と思えるほど商品やサービスに魅力を感じてもらう必要があります。
BtoC営業には、次のようなやりがいがあります。
営業活動の結果は、売り上げという形でダイレクトに反映されます。
日々実績を積み重ね、目標をクリアできた時には大きな達成感を味わうことができるでしょう。
また、BtoC商材は基本的に購入者が直接消費するものです。
売り上げだけでなく、顧客からの感謝の言葉や喜んでいる表情を直接感じることができるのもBtoC営業の魅力の一つといえます。
BtoC営業には次のような難しさがあります。
BtoCは顧客によって価値観やライフスタイルが大きく異なります。
型にはまった提案が難しく、それぞれに適した訴求が必要です。
トレンドの変化も非常に激しいため、常に最新の情報をキャッチアップしなければなりません。
また、BtoCは競合が非常に多い業界です。顧客はさまざまな商品やサービスから購入するものを選ぶことができるため、自社商材の優位性を明確にし、他社との差別化を図る必要があります。
BtoC営業における戦略立てのフレームワークは数多く存在します。
今回は、消費者の購買行動を段階ごとに理解し、効果的な戦略を立てるために活用される代表的なフレームワークを3つ紹介します。
AIDMAモデルは、従来から知られている購買モデルの一つであり、以下の頭文字を取ったものです。
このモデルは、オフラインでの購買行動に焦点を当てたものです。
特にマス広告やテレビCMなど従来的なマーケティング手法に適しており、消費者に一方向的に情報を伝えることで購買行動を促すという考え方がベースとなっています。
AISASモデルは、インターネットの普及に伴い、従来のAIDMAモデルをアップデートしたもので、以下の頭文字を取っています。
このモデルはSNSの普及によって変化した消費者の購買行動を考慮したものです。
現代の消費行動を反映したもので、検索行動やソーシャルメディアの重要性が強調されています。
ULSSASモデルは、SNSが普及した時代の消費行動をさらに詳細にとらえたモデルであり、以下の頭文字をとったものです。
このモデルは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)に触れることが購買行動の起点となり、Share(共有)をすることで新たな購買行動が生まれることが特徴です。
口コミやインフルエンサーマーケティングなど、SNSの影響力の重要性が強調されています。
BtoC営業は、一般消費者に対し商品やサービスの魅力を伝え、購買意欲を高める必要があるため、BtoB営業とは違ったスキルが求められます。
今回はBtoC営業で特に重要なスキルを3つ紹介します。
BtoC営業において、消費者に適した提案を行うためには、顧客の話をしっかりと聞き、共感し、言葉の裏側にあるニーズを汲み取る必要があります。
また、顧客ニーズを基にした、わかりやすい説明・提案も欠かせません。
具体的には、ヒアリング力・説明力・説得力などが求められます。
顧客が抱える悩みや疑問に的確に答え、納得してもらうためには深い商品知識が不可欠です。
自社商品やサービスについて隅々まで理解していることはもちろん、競合他社との違いや自社の優位性を明確に説明する必要があります。
BtoCの顧客は、多様なニーズを持っています。効果的なアプローチを行うためには、ターゲット顧客の属性や行動パターンを分析する能力が必要です。
このような分析を行うマーケティング部門と営業部門が分かれている企業もありますが、他部門の情報を深く理解し、営業活動に落とし込むためには、営業自身もマーケティングスキルを磨く必要があります。
BtoC営業で成功するためには、顧客一人ひとりのニーズや価値観に合わせたきめ細やかな対応が求められます。
今回は、BtoC営業の戦略として代表的なものを3つ紹介します。
BtoC営業の成功のカギとなるのが顧客理解です。
ペルソナ設定を行い、具体的なイメージを捉えることでニーズや価値観を把握しましょう。
顧客理解を深める方法としては、購買履歴やアンケート、SNSの分析などが有効です。
顧客一人ひとりが多彩なニーズを持つBtoC営業では、ペルソナごとに適した商品やサービスを提案する必要があります。
カスタマイズできる商品やサービスの場合は、顧客のライフスタイルや趣味趣向に合わせた提案を積極的に行いましょう。
また、BtoCの顧客は感情的な側面が購買の判断に影響しやすいとされています。
試着や試飲など顧客に使用感を試してもらえる体験型のマーケティングも有効な手段です。
顧客に商品の魅力を伝えるために欠かせないのがコミュニケーションです。
専門用語を使わない分りやすい説明や、視覚的な資料の活用、根拠のあるデータを使った提案など効果的なコミュニケーションを確立できれば売り上げ向上に繋がります。
また、物語を通して共感や行動を促す「ストーリーテリング」を活用すれば、顧客の心をつかむようなコミュニケーションが可能です。
同じ営業活動でも、ターゲットが異なるBtoC営業とBtoB営業では、購買決定の基準や意思決定のプロセスに違いがあります。
効果的な戦略設計や訴求を行うためには、BtoCに特化した知識や経験が欠かせません。